ヨシャパテ王④(妥協・失敗)旧約人物伝 第36回

Ⅱ歴代史
旧約聖書 人物伝 第36回(2018.02.25)

北イスラエル王国アハブ王がラモテ・ギルアデの戦いで戦死しました
(後継者は息子アハズヤ、その後その弟ヨラム)。

絶大な力を誇ったアハブ王が死ぬとモアブの王メシャ北王国に背きます。
これを成敗しようと、北イスラエル王国のヨラム王は、南ユダ王国のヨシャパテ王と、その南のエドムの王に呼びかけ出陣。勝利を収めます(預言者エリシャの登場)。
ヨシャパテ王は、南ユダ王国の民に律法を教え、神を知り、交わり、礼拝し、神とともに歩むことを教えました。
ヨシャパテ王の治世の間、 神様は南ユダ王国を守られました。

ヨシャパテの失敗は北イスラエル王国アハブ王との同盟です(Ⅱ歴代誌18:1)

長男ヨラムの妻にアハブ王の娘アタルヤを迎える(Ⅱ歴代誌21:6)。
タルシシュへ行く船団をつくるためアハブ王の息子アハズヤ王と同盟(Ⅱ歴代誌20:35)。
それは御心に背くことで船団は難破(Ⅱ歴代誌20:36,37)。
さらにアハズヤ王の弟のヨラム王と同盟(Ⅱ列王記3:7)。
モアブ成敗に出かけ無益な戦いをします。

ヨシャパテ王は同族北イスラエル王国との同盟については神に御心を尋ねなかったようです。
この妥協で結んだ縁が次世代に悲劇を招きます。
ヨシャパテ王の後継者ヨタム王はヨシャパテの子ども(自分の兄弟)をひとり残らず殺害(Ⅱ歴代誌21:4)。
妻アタルヤがバアル礼拝を持ち込む(Ⅱ歴代誌21:11)。
ヨラム王が病死ののち息子アハズヤが王位に就くが母アタルヤが院政を行ない混乱(Ⅱ歴代誌22:3)。
アハズヤ王が殺されると(Ⅱ歴代誌22:7)母アタルヤ自身が王位に就きユダ王家の者をひとり残らず殺害(Ⅱ歴代誌22:10)。
アタルヤ自身も殺される。(Ⅱ歴代誌22:15)。

北イスラエルは同族とはいえ偶像礼拝の民でした(金の子牛事件、 アハブ王の妻イゼベルが持ち込んだバアルを礼拝)。
神様はこれを憎んでいました。
ユダヤという同族だからと妥協し、神の御心をたずねなかったヨシャパテ王の姿勢は大きな禍根を残しました。

私たちの生きる現代も、妥協は後に災いを招く結果になることを覚えましょう。

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