「空の空。すべては空」伝道者の書:学び第1回

岡崎ホープチャペル発行の週報(2022.11.13)より
聖書箇所:伝道者の書 1章1節〜3節

①「エルサレムの王、ダビデの子、伝道者のことば」1節。

今回、私がこの書簡を通して学びたいことは、この伝道者の書も「イエスさまを証している書物」であるという視点です。この書簡は「伝道者=コヘレトのことば」と言います。「コヘレト」とは、人生の知恵を教える「知恵者」や、「説教者」という意味を持っています。その「コヘレト」のことばは、エルサレムの王であり、ダビデの子孫でもあると言うのです。実際にこの書簡の著者は、神さまから最高の知恵を頂いたソロモンですが、この表題から観てもも、やがて来られる真のエルサレムの王としてのイエスさまが証されています。

「イエスさま無しで生きる知恵者(コレヘト)の空しさ」と「真の知恵者(コレヘト)=イエスさまを知って生きる者の豊かさ」を発見することが今回のシリーズのテーマです。もし福音の光を通して読まなければ、この書簡には何の希望もありません。笑!

②「空の空。伝道者は言う。空の空。すべては空。」2節。

伝道者の書を理解するために重要なポイントとなってくることばが、「空の空」ということばです。この「空」ということばをどのように解釈するかによって、この書の読み方が大きく変わってくると思います。原語では「へヴェル」と言います。この「へヴェル」には、「吐く息」「風」という意味があります。消えてなくなる吐息のように、統制できないことや自分の計画どおりにならないことを表します。この視点から考えるなら、コレヘトが伝えたいことは、すべての人生は空しく無意味であるという悲観的な人生観だけではなく、私たちの人生は、自分の吐く吐息や風のように自分ではどうすることもできないが、その中に創造主なる神さまの計画があること示唆しているという視点です。「空」という象徴的なことばをもって逆に、神さまの絶対的な主権を告白しているのです。それは、神さまの創造の秩序の中で生きていく人間が、その限界の中で、「どうすれば最も意味のある人生を歩むことができるか?」という真理を問う、知恵者のことばでもあるのです。

③「空の空、すべては空」のフレーズを、もしイエスさまのことばから読み解くなら、

それはサマリヤの女に語った「この水を飲む人はみな、また渇きます。」(ヨハネ4:13)ということばに表されているのではないでしょうか。どれだけ飲んでもすぐ渇くのです。神さま無しで生きようとする人生の労苦も快楽もすべて空しいのです。しかし、イエスさまが与えてくださる水を飲む者は、この世の空しさの中にも決して渇くことのない“いのち”を得るのです。

「わたしが与える水を飲む人は、いつまでも決して渇くことがありません。わたしが与える水は、その人の内で泉となり、永遠のいのちへの水が湧き出ます。」
 ヨハネの福音書4章14節

ハレルヤ!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする