「触媒として」使徒の働き 学び第18回

岡崎ホープチャペル発行の週報(2020.08.30)より
聖書箇所:使徒の働き 9章10節~22節

しかし、主はアナニアに言われた。「行きなさい。あの人はわたしの名を、異邦人、王たち、イスラエルの子らの前に運ぶ、わたしの選びの器です。」使徒の働き 9章15節

化学の授業で触媒(しょくばい)について学んだことがありますね。触媒とはそれ自身はそのままで変化しないで、他の物質の変化を助ける物質のことです。触媒によって反応の経路を変えて、変化を起こさせます。触媒がないと変化しないのに、触媒を入れるとすぐに変化が起こるのです。
例えば、水素と酸素を容器に入れ加熱しても、何の変化も起こりません。しかし、その中に少量の銅Cuを入れると、たちまち水素と酸素は反応して水になります。

H2+O2+Cu → H2O(水) + CuO

私たちの人生にも、この触媒のようなことが起こります。アナニヤとサウロの関係がそのような関係です。神さまは幻の中で、アナニヤに語りかけます。
「立って、『まっすぐ』という街路に行き、サウロというタルソ人をユダの家に尋ねなさい。そこで、彼は祈っています。」

神さまは、非常に具体的にアナニヤに指示を出されます。

しかしアナニヤは突然の命令とサウロのうわさを聞いて尻込みして、神さまに訴えかけます。でも神さまは、アナニヤのことばに一つ一つ答えることはありません。ただ「行きなさい。」と語られるだけです。そしてその後の反応だけを示されました。

神さまは、サウロを教会を建て上げる働き人として用いるために選びます。

そのために同時に、神さまはアナニヤをサウロを導くための触媒として用います。アナニヤがサウロの上に手を置いて祈ると彼の目は開き、聖霊で満たされます。ここから「選びの器」であるパウロとしての歩みがスタートしていきます。しかしこれ以降、アナニヤは聖書の中に登場しません。サウロの変革のために用いられた後、彼は神さまの置かれた所でその使命を全うしたのでしょう。

教会史上、最も情熱的な伝道者の誕生にはアナニヤのみことばに対する従順がありました。アナニヤにはサウロを変える力はありません。人を新しく造り変えられるのは、聖霊さまの働きです。しかしその御業は、神さまご自身のことばに聞き従う者たちを通して働かれます。

私たちも神さまの御業のための触媒となることを祈り求め、みことばに従う者でありましょう。

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